経営環境に合わせた人事制度の構築
多様な働き方に応じた人事制度
少子高齢化により労働力人口の減少が進展する中、平成31年4月より「働き方改革」が施行され、「労働生産性の向上」がテーマの一つに掲げられました。
また、令和2年4月(中小企業は令和3年4月)からは、「パートタイム・有期雇用労働法」が施行され、「同一労働同一賃金」による正規雇用労働者と非正規雇用労働者の処遇の格差是正が求められています。
人事制度設計・運用
等級制度
従業員の仕事や能力の格付け
- 職務等級制度:従業員の職務を基軸として、その価値の大きさ等により等級を区分する制度
- 役割等級制度:従業員の期待役割(ミッション)を基軸として、その重要度等により等級を区分する制度
- 職能資格制度:従業員の能力を基軸として、その発展レベルに応じて等級を区分する制度
人事評価制度
従業員が仕事を行った結果(仕事ぶり)の評価
各等級基準に応じた評価区分ごとに評価項目と配分等を設定し、定期的に評価や査定を行います。人事評価制度は等級制度や賃金制度と連動しますが、昇給や賞与支給原資の分配、昇格・昇進等の査定のためだけに使用するのではなく、「能力開発や育成」「業務改善」等にも活用されます。
従業員からの信頼度を高めるためには、評価者がコミュニケーションスキルを高めることが重要ですが、被評価者へのフィードバックを行い、評価の「納得性」を高めること、つまり、「公平性」「客観性」「透明性」等が確保されることが重要になります。
賃金制度
賃金制度は多種多様であり、どのような賃金体系や賃金水準にするかは各企業の経営方針や財務状況によって異なります。賃金表(テーブル)の種類も色々とあり、その設計手順も様々です。今日までは、大企業等を中心に、終身雇用を前提とした日本型雇用システムである「職能給」が多く用いられてきましたが、「同一労働・同一賃金」が提唱されるようになり、仕事基準の賃金制度が増えていくことが想定されます。しかしながら、中小企業においては、従来から賃金表を全く使用しないケースも多くみられ、それぞれの経営環境に合わせた制度設計が求められています。
賃金分析 | 現状の問題点の把握と課題抽出、各種統計資料との比較等 |
賃金制度設計 | 職務給、役割給、職能給、インセンティブ給与、年俸制等の設計 |
賞与設計 | ポイント制賞与等の設計 |
退職金制度設計 | ポイント制退職金等の設計 |
同一労働同一賃金 | 正規雇用労働者と非正規雇用労働者の処遇格差是正への対応 |
人事コンサルティングの流れ
- 1st「制度策定」
- 現状分析と課題抽出、人事制度の方向性の確認
- 2nd「制度設計①」
- 等級制度の設計
- 3rd「制度設計②」
- 人事評価制度の設計
- 4th「制度設計③」
- 賃金制度の設計
- 5th「運用①」
- マニュアル作成、社内説明会の開催
- 6th「運用②」
- 新制度の仮運用開始
- 7th「運用③」
- 運用改善(制度運用後のPDCA)
制度導入までには、「擦り合わせと再編集」というプロセスを何度か繰り返すことになりますので、相応の手間と期間を要します。
内容によりますが、短期間での制度導入はスケジュール的に困難な場合がありますので、予めご了承ください。
詳しくは当所にご相談ください。